文政権は、何をやっても上手くいかなかったが、今回の犬の食用禁止はクリーンヒットである。今年8月、大統領府の国民請願板で「家畜から犬を外して犬の食用を禁止してほしい」という請願に20万人以上の同意が寄せられた。大統領府は、これに対して「家畜から犬が除外されるように関連規定の整備を検討する」と明らかにしていた。それが、ついに実行に付された。

 

世界の愛犬家にとって、韓国で犬を食用にしていると聞けば悲鳴を上げるほど残酷な話だ。韓国は昔からの伝統であり別段、動物愛護精神に反することとも思わずにきた。それが、残酷この上ないことであると知って、ようやく禁止の方向に向かっている。

 

『レコードチャイナ』(11月23日付)は、「韓国最大の犬の食肉処理施設の解体始まる」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国紙『新京報』(11月23日付)は、韓国最大の犬の食肉処理施設解体作業が始まったと報じた。記事はまず、英BBCの報道を引用。『韓国当局は22日、動物の権利活動家らの圧力に迫られ、国内各地の犬肉料理店の最大の供給元となっていた、ソウル南部の城南市太平洞にある施設の解体作業を始めた』と報じた。当局者によると、解体作業は2日間行われ、その後は公園に改築されるという。記事によると、韓国の動物権利保護団体(KARA)は声明で、『これは歴史的な瞬間だ』とし、『全国の犬の食肉処理施設の閉鎖のための扉を開き、犬肉産業全体の減少を速める』と述べた」

中国でも、韓国から輸入された「犬肉缶詰」が販売されている。以前、中国人留学生が、「旨いから持って来ます」と言われて、ビックリしたことがある。もちろん断ったが、缶詰になって輸出されていることにさらに驚いた。韓国もこれで、「近代化」の階段を一つ上った感じだ。

 

(2)「記事は続けて、韓国・聯合ニュースの報道を引用。『2004年には韓国国民の約9割が犬食を禁止する必要はないと答えたが、今年は犬食に賛成する人は185%だった。今年8月、『畜産法を改正し、家畜から犬を除外して食肉処理を違法化してほしい』とする大統領府への請願に20万人を超える署名が集まったことを受け、政府は関連規定の整備を検討すると回答した』ことを紹介した」

 

大統領府への請願では、賛成者が20万人以上に達すると、大統領府は何らかのアクションをしなければならない決まりになっている。今回のケースでは良い結果が出たものの、多くの問題を含んでいる。他人を誹謗する「リンチ」のようなケースが多発しているのだ。自分の不満を請願板に書いて鬱憤晴らしに利用する。韓国社会の歪んだ姿が映し出している。

 

この請願板は、国連で高い評価を受けている。今年、国連の評価でオンライン参加部門1位になったからだ。形式上は、民意を反映するシステムである。使い方を間違えると、他人を誹謗中傷する道具になるから危険なのだ。