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太平洋の楽園諸国が、借金地獄で泣いている。中国が親切ごかしに融資してくれたが、金利は高い。担保権はがっちり付けられるはで、苦しんでいる。日本のODA(政府開発援助)では、金利はゼロ同然で、長期の返済計画が組まれている。こういう日本の融資に慣れていた太平洋諸国が、中国から借金したばかりに泣きを見ているのだ。

 

『レコードチャイナ』(9月20日付)は、「日本主導のADB、太平洋島しょ国での中国の影響力拡大をけん制?中国紙」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国紙『環球時報』(9月19日付)は、『日本主導のアジア開発銀行(ADB)が11の太平洋島嶼国で拠点を拡大する』とし、『米国に追随し、中国の影響力拡大をけん制か』と報じた。ADB18日、11の太平洋島嶼国で拠点を拡大し、同地域への融資額は2020年に40億ドル(約4500億円)に達する見通しだと発表した。ロイター通信は『ADBの太平洋島嶼国におけるプレゼンスの強化は、米国とその同盟国による中国との影響力争いに一致している』と論じている」

 

中国が、太平洋島嶼諸国へ接近したのは、台湾と断交させ中国と国交を結ばせる目的であった。だから、甘い言葉をかけてきたのだ。これにすっかり騙され台湾と断交した国が、中国の餌食になって財政赤字に苦しんでいる。中国も随分えげつないことをやったもの。後から、恨まれることは分っていること。現に、恨まれており債務の減免を求められているが拒絶している。

 

これを見かねたADBが、11の太平洋島嶼国でADBの拠点を拡大し、同地域への融資額は2020年に40億ドル(約4500億円)に達する見通しだと発表した。各島嶼国へは、ADBの係官を置いて相談窓口にするという。こうすれば、中国の甘い誘いを排除できるという狙いだ。中国も随分と株を落としたものである。

 

(2)「ADBは声明で、クック諸島、ミクロネシア連邦、キリバス、マーシャル諸島、ナウル、パラオ、ツバルの7カ国に『カントリーオフィス』を設置するとともに、サモア、ソロモン諸島、トンガ、バヌアツの4事務所『カントリーオフィス』に昇格させることを発表した。新しいカントリーオフィスは『ADBがその国の政府や開発パートナーと定期的に連絡し、実質的なコミュニケーションを持つことを可能にする』としている」

ADBは11ヶ国に「カントリーオフィス」を置くという。常時、中国の動きを見張って、借金漬けにされるのを防ぐという。中国もここまでやられたら、手出しができなくなる。中国は、何ともおぞましいことをやってきたものだ。後悔先に立たず、である。