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日本のビジネスホテルが、相次いでソウルに開業しているという。週末でも一泊5000円で宿泊できるというので人気を集めている。メディアでは、慰安婦像や竹島、はては旭日旗とやかましいが、ビジネスの方は一歩、先を行っているようだ。

 

『韓国経済新聞』(9月13日付)は、「日本のホテルが次々と韓国進出」と題する記事を掲載した。

 

(1)「日本系ビジネスホテルの韓国進出が続いている。ホテル業界によると、ソウル麻浦(マポ)路1区域第12、13地区再開発事業を進行中のコース麻浦(マポ)PSVは、地下4階-地上24階の商業ビルを建てる。コース麻浦PSVはこのビルの用途をホテル341室、オフィス105室に決めた」

 

従来は、日本の経営については「日式」、天皇については「日王」という表現が多用されてきた。若干の軽蔑を含めた表現のようだ。ところが、この記事では「日式」とは言わず、「日本ホテル」と呼んでいる。日本への表現で気を使うようになったのか。


(2)「コース麻浦PSVのイ・ヒョンヨン代表は、『ビルが建設されれば日本の大和ハウスグループに30年間賃貸する予定』と明らかにした。コース麻浦PSVは17日にソウル教育庁の環境評価審議を受け、来年1月に着工する予定だ。イ代表は「麻浦には多くの日本人が居住し、仁川(インチョン)空港、金浦(キンポ)空港に行く空港鉄道の駅が近く、事業性は十分にある」と語った。

大和ハウスグループは住宅建設、賃貸、リゾート、ホテルなどの事業を手掛けている。日本だけでビジネスホテル52件、リゾートホテル28件、ゴルフ場10件を保有する。韓国の最初のホテルは、ビジネスホテルのダイワロイヤルになるという。

 

大和ハウスだけでなく、日本のホテルが韓国へ進出しているメリットは、韓国での知名度を上げ、訪日旅行の際は、宿泊して貰うという相乗効果を狙ってはいないだろうか。私には、そのように思えるのだ。

 

(3)「日本系のホテルは最近、急増している。相鉄グループが運営するホテル『相鉄ホテルズ・ザ・スプラジール・ソウル明洞(ミョンドン)』が2月にオープンした。韓国銀行(韓銀)の向かい側にあるこのホテルは旧ゴールデンチューリップ・エムホテルを改築した。5月にはソウル仁寺洞(インサドン)でホテル呉竹荘が営業を始めた。このほかソウル明洞ミリオレのビルを改築した『ルワジールホテル』、ソウル・釜山(プサン)など全国9カ所にホテルを保有する『東横イン』、ソウルに2カ所のホテルがある『ドーミーイン』などもすべて日本系のホテルだ」

 

相鉄グループが運営するホテル、ホテル呉竹荘、東横インなど、日本でも名前が知られたホテルが進出している。韓国人スタッフのほかに日本人スタッフも常駐させている様子だ。日韓でスタッフの交流というメリットもあるのだろう。

(4)「日本のホテルが韓国に進出する理由は大きく2つある。まずビジネスがしやすい点だ。ホテルが急増して『供給過剰』と指摘されている中でも、日本系ホテルは安定的に経営している。ソウル東大門(トンデムン)、釜山、海雲台(ヘウンデ)などの東横インは週末の宿泊予約が難しいほどだ。料金が安く、週末にも1泊に5万ウォン(約5000円)ほどで予約できる。日本内部の事情もある。日本ホテル市場も飽和状態となっている」

 

ここでは、日本のホテル進出の理由が取り上げられている。一つは、日本式のサービスで韓国でも勝負できること。もう一つは、日本でのホテル飽和を上げているが、私は違うように思う。日本の外国人観光客誘致目標は、2020年の4000万人(消費額8兆円)の次は6000万人(2030年)である。日本では観光産業が、一大ビジネスになる見込みだから。将来的にはホテルが不足すると見る。高級ホテルと違い、ビジネスホテルは「大衆」がターゲットである。この私の見方はどうだろうか。