読者には、連日の猛暑で体力を消耗し疲労気味と思われる。少し変わったテーマで、日本人と中国人の違いを伝える記事を紹介したい。中国人の20代の夫妻が、英空港で日本人に偽装し入国しようとして逮捕されたもの。よくある話だ。

 

日本のパスポートの人気が高いのは、世界一の「ノービザ」入国が可能な「宝物」であるからだ。2018年の世界パスポート・ランキンで、日本は単独1位で189ヶ国(世界200ヶ国中)へ入国可能である。この日本パスポートを偽造で入手すれば、「日本人」としてフリーパスの権利を得られる。だが、パスポートは偽造できても、「日本人」にはなりきれないもの。空港職員は、「ニセ日本人」をすぐに見分けられるという。それほど、中国人とa1370_000092_m
日本人では、立ち居振る舞いが異なるのだ。

 

『レコードチャイナ』(7月21日付)は、「日本人に偽装した中国人夫婦が英空港で身柄拘束」と題する記事だ。

 

(1)「米華字メディアの『看中国』7月20日付)は、英国空港で日本人に偽装して入国しようとした20代の中国人夫婦が身柄を拘束されたと報じた。同メディアは、中国人が同様の事件が多発していると紹介した上で、中国人と日本人は発想の違いにより動作も異なるので、見分けるのは実際には容易と論じた」

 

この記事は、個々の中国人旅行客について論じているが、中国の外交政策に置き換えてみると、実に興味深く感じる。領土拡張主義を前面に出す習近平外交は、大手を振って、自らの領土と言い募り大声で叫んでいる。その姿は、海外旅行している中国人旅行客と全く同じに見える。習近平氏もまた、14億人いる中国人の一人なのだ。

 

(2)「『看中国』は、中国人の動作は他のアジア人と異なるので、少し観察しただけで容易に見分けることができると主張。まず、道を歩く際、中国人は手を大きく動かして自分が占有する空間をできるだけ多く確保しようとすると論じた。日本人の場合にはまさに逆に、出来る限り縮こまって、周囲にいるのがどんな人であれ、邪魔をしないように考えるとした。さらに、日本人の場合には優雅で物静かであり、目の前で大事件が発生しても表情を変えないが、中国人はどんなことに対しても大騒ぎし、まるで『天に叫び、地に頭をたたきつける』ように感情をあらわにすると指摘した」

 

日本人は、子どもの時から「人様に迷惑をかけるな」と教え込まれている。これは、欧米の市民社会に通じる躾である。他人との間に適当な距離間を保つものだ。中国社会は、宗族社会ゆえに自他の区別を付けない社会である。こういう点が、日本人と中国人の行動が100%異なる理由である。中国人は道を歩くとき大手を振って、あたかも自分のテリトリーを示すように振舞う。ここまで読んで、私は苦笑した。中国が、南シナ海や尖閣諸島まで中国領と言い出した裏には、この「テリトリー拡大主議」が影響している。だから、大声で話し自己主張するのであろう。

(3)「記事では、英空港で身柄を拘束された中国人夫婦について、『係員に歩み寄ってから、突然に日本のパスポートを提示しても、何が起こるかは予想できる。パスポート(の偽造)が露呈したのではなく、彼らのしぐさで(中国人であることが)露呈したのだ』と指摘している」

英空港で拘束された中国人夫妻は、パスポートの偽造を見抜かれる前に、大仰な態度で英係官に接したに違いない。これが、「偽造パスポート」を見破るきっかけになったのかも知れない。日本人であれば、慎ましく対応したのであろう。この記事は、中国人論を考えさせる記事であるように思える。いかがであろうか。